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意外と知らない食事マナー〜和食編〜

懐石料理と会席料理の違いをご存知でしょうか?

和食では、茶道から始まった懐石料理、
お酒を楽しむ会席料理など、
由来が違います。

懐石料理とは?

懐石料理は、
お茶の前の一時的な空腹を満たす少量の食事が基本となっています。

茶道の心である侘び・寂びを料理として表現しており、「旬の食材を使う」、「素材の持ち味を活かす」、「心配りを持っておもてなしをする」という三大原則を掲げています。

料理は
ご飯と汁物は食事の最初に提供され、
一般的に、ご飯やお吸い物が出てきた後にお酒が出てきます。
料理といい、雰囲気といい、会席のときほどの賑やかさはなく、
どちらかといえば落ち着いてゆっくり食べる雰囲気があります。
ただ、現在の懐石料理は安土桃山時代や江戸時代と違い、お茶会にて振る舞われる為のお食事という役目は薄くなっています。現代ではお茶会の為のお食事は「茶懐石」とも呼ばれてもいます。

また、旧来懐石料理は量が少なかったため、量の少なめなコース料理としても定着しつつあり、現在では欧風懐石という言葉も出てくるようになっています。

 

会席料理は?

宴会や結婚披露宴など、お酒を楽しむ場でよく見られます。
お酒を嗜む為のお食事という位置づけになります。

懐石料理と違い、お酒が最初に出てきて、
ご飯と汁物はお食事の最後に提供されます。

一品ずつのときもあれば、最初から並べられている場合もあります。

また、懐石料理はお茶を嗜むために頂くお食事に対して、
会席料理は本膳料理という形式が廃れた現在では、
儀式にてもてなされる一般的な料理形式となっています。

 

恥ずかしくないようマナーは心得ておきたいもの。
マナーを知っているか知らないかで
その人の品格、印象にまで影響してしまいます。

マナーはお店や同席した人への思いやりでもあります。
ちょっと知っておくだけで楽しい時間を過ごすことができます。

では、意外と知らない和食の食事マナーをご紹介します^^

 

①三種の先付けは左から食べる

会席料理などで最初に三種類の前菜が一緒に出てくることがあります。
三種以上横に並んでいる場合、食べる順番は左からとなります。
左に味が薄いものが来るように盛り付けられていることが多いので、
どの前菜が左なのか迷った場合には、淡白そうな料理から
食べましょう。小さい器に盛り付けられているときは、
器を持って食べても構いません。

②最初に香の物から食べない

会席料理などの最後にはご飯と止め椀、香の物が出てきます。
そこで香の物から食べると、今までの食事が美味しくなかったという
サインになります。
まず汁物から口にすれば箸が湿り、後でご飯粒がくっつくのを防ぐことができます。
そのあとは交互に食べすすめます。
また、香の物をご飯に乗せて食べるのもマナー違反です。
ただし、茶の湯の食事にルーツがある懐石料理の場合は、
ご飯から箸をつけるのが基本的な作法となっているため、
注意が必要です。

 

③茶碗蒸しはさじで中身をはがす

茶碗蒸しはまず蓋の裏の水滴を
こぼさないように気をつけて蓋を開けます。
さじか箸を器に沿ってくるっと回し、
中身をはがすようにしてから食べます。

冷めて固まった時に、中身が器についてしまうのを防ぎ、
食事の見た目を美しくするためです。
かき混ぜて食べても構いません。
食べ終わったら蓋を戻しておきます。

④お椀の蓋は小皿代わりにしてもOK

お刺身の盛り合わせがのった大きなお皿などを除き、
手で持てる器は手で持ってOKです。
汁椀や煮物のお椀、茶碗蒸しの蓋に食べ物をのせて
口に運ぶのもOK。
ただし、食べ物をこぼさないように片手で受けるのは
「手皿」といってNGです。

⑤ご飯をおかわりする時は一口残す

もとは懐石料理の作法とされていますが、
ご飯をおかわりをする時は一口残します。
食事が終わってないことを表す、
食べきるとご飯の量が足りないという
意思表示になる、などの説があります。

⑥握り寿司は具を下にして口に入れる

握り寿司は、具を下にして醤油につけ、
口に入れる時も具を下にします。
具を直接下に感じることで、より美味しく味わうことができるためです。

 

⑦飲み終わった汁物のお椀の蓋は戻して奥へ

食べ終わった後のお椀の蓋はどこに置いたらいいのか迷うことが
多いと思いますが、蓋はお椀に戻し、膳の外側や奥におけば
もう食べ終わったということが伝わります。

 

プラスa

和食店に行くとき、懐紙を持参すると便利です。
懐に入れる二つ折りの和紙で、
口や器をぬぐったり、お店の人に心付けとして
お金を包んだり、様々な場面で使えます。

手皿はマナー違反ですが、
懐紙を使えば問題ありません。

他にも焼き魚の骨を外す時に頭をおわえたり、
口元を隠したり。
食べ残しを包む時にも良いです。
ただし、懐紙の降り方には注意が必要です。
半分に折る場合は斜めに折ります。
上の部分を右下がりにするのがお祝い事で、
左下がりに折るのは仏事や弔事の時です。

 

 

以上、意外と知らない会席料理の食事マナーでした。
こちらも、ちょっとしたことを事前に知っておくだけで
いざという時にあたふたせずに済みそうですね。

普段から意識して、身につけておけば
上品で余裕のある振る舞いもできそうです^^